中小企業の固定費削減は何から始める?|通信費・SaaS・電力・保守契約の見直し手順

売上を増やすことだけが利益改善ではありません。毎月発生する固定費を見直せば、売上が伸びなくても利益を改善できる可能性があります。ただし、安さだけで契約を切り替えると、解約違約金や業務停止のリスクが生じます。中小企業の固定費削減は、契約を一覧化し、使い方を確認してから、削減効果を比較する順番が基本です。

最初に見直す4つの費目

1. 通信費

携帯電話、インターネット回線、固定電話、クラウド電話などの契約を確認します。回線数やデータ容量が実際の利用状況に合っているか、不要なオプションがないかを見ます。法人契約は解約条件や機器代金の残債も確認してください。

2. SaaS・クラウドサービス

会計、勤怠、チャット、オンライン会議、デザイン、ストレージなど、毎月または毎年課金されるサービスを洗い出します。契約アカウント数、実際の利用者数、機能の重複、年額更新日を確認します。使っていないアカウントの削減が、乗り換えより簡単な場合があります。

3. 電力・エネルギー費

電気料金は基本料金、使用量に応じた料金、燃料費調整額などの構成を確認します。契約電力や使用時間帯が自社の実態と合っているかを検討します。料金体系や市場連動の条件によっては、単価が安く見えても支払額が増える場合があります。見積もりは複数の使用量シナリオで比較してください。

4. 保守・リース・その他の定期契約

複合機、設備保守、ソフトウェア保守、レンタル機器、清掃、警備などを確認します。契約期間、サービス範囲、更新条件、代替手段を整理し、安易な解約で業務品質や安全性を損なわないようにします。

契約一覧表をつくる

Excelやスプレッドシートで、次の項目を1契約につき1行で記録します。

  • 費目・サービス名・契約先
  • 月額換算費用(年払いは12で割る)
  • 契約開始日・更新日・解約予告期限
  • 利用者数・利用頻度・業務上の必要性
  • 解約金・移行費用・代替サービスの候補
  • 契約を管理する社内担当者

削減効果の計算方法

たとえば、月額2万円のサービスを月額1万2,000円に変更する場合、年間の単純差額は(20,000円-12,000円)×12か月=96,000円です。ただし、初年度に移行費用5万円が必要なら、初年度の削減効果は46,000円となります。これは計算例であり、特定サービスの料金ではありません。

初年度削減効果=(現行の年間支払額-変更後の年間支払額)-移行費用-解約費用

従業員の教育時間や業務停止の可能性も、金額に換算できる範囲で評価します。

削減の優先順位を決める3つの質問

  1. 使っていない契約・アカウントはないか
  2. 同じ機能を複数のサービスで契約していないか
  3. 契約を変えた場合、品質や業務継続に影響はないか

まずは「利用実態がない」「代替不要」「解約条件が明確」な契約から着手します。重要な基幹システムや安全設備は、削減額だけで判断しないことが大切です。

30日で進める見直しスケジュール

  1. 1週目:直近12か月の請求書・カード明細から定期支払いを抽出する。
  2. 2週目:利用者と担当部署に必要性を確認し、更新日を整理する。
  3. 3週目:契約変更・アカウント削減・相見積もりの候補を選ぶ。
  4. 4週目:影響の小さい契約から変更し、翌月以降の請求額を検証する。

まとめ:削減の目的は、経営の余力を増やすこと

固定費の見直しは一度きりではありません。四半期ごとに契約一覧を確認すれば、不要な契約の再発を防ぎやすくなります。費用を削減して生まれた利益を、採用・営業・新規事業など未来の仕事に振り向けることが、ヨリョクの考える固定費削減です。

固定費・コスト削減ガイドでは、改善の優先順位とサービス選定の考え方を紹介しています。また、請求業務の効率化に関する記事も参考にしてください。

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