社長は、なぜ仕事を手放せないのか――私が外注にお金を使えなかった頃の話
社長は、なぜ仕事を
手放せないのか
「自分でやった方が早い」
「人に頼むほどの仕事ではない」
「外注するくらいなら、自分でやればタダだ」
そう考えて、いつの間にか社長自身が 会社で一番忙しい人になっていないでしょうか。
私自身、仕事を手放せませんでした。
これは、私自身にも経験があります。
独立したばかりの頃、 私はできる限りの仕事を自分でやっていました。
資料をつくる。
調べものをする。
事務処理をする。
連絡をする。
細かな雑務を片付ける。
外注すれば楽になることは分かっています。
それでも、なかなか外へ出せませんでした。
理由は単純です。
お金を使うのが怖かったからです。
BEPぎりぎりの会社で、 外注費は「利益を減らすお金」に見える。
会社を経営していれば、 毎月必ず出ていくお金があります。
家賃、人件費、通信費、システム利用料、 税理士などへの報酬。
そして売上からそれらを差し引いて、 ようやく利益が残ります。
特に独立直後や小さな会社では、 売上が損益分岐点、いわゆるBEPの近くを 行ったり来たりすることも珍しくありません。
そんな状況で、 毎月5万円の仕事を外注するとします。
頭では、 「月に何時間も空く」と分かっています。
ところが経営者の目には、 その5万円が「確実に出ていくお金」に見えます。
一方、自分がその仕事をすれば、 銀行口座からお金は出ていきません。
だから、 「だったら自分でやろう」 という判断になります。
これは、ある意味では当然の判断です。
でも、「自分でやれば0円」は 本当でしょうか。
ここに、小さな会社の経営で 非常に大きな落とし穴があります。
自分で仕事をすれば、 確かに外注費は発生しません。
しかし、その仕事をしている時間、 社長は別の仕事ができません。
営業することもできません。
新しい商品を考えることもできません。
重要な顧客に会うこともできません。
採用について考えることも、 会社の未来を考えることもできません。
お金は使っていない。
でも、社長の時間を使っている。
ここを経費として認識していない会社は、 意外に多いのではないでしょうか。
社長の仕事には、 「見えない原価」があります。
例えば、 社長が月に160時間働いているとします。
そのうち40時間を、 請求書処理、資料整理、情報収集、 メール対応などに使っていたとします。
これは勤務時間の25%です。
もちろん、それらも必要な仕事です。
問題は、 「社長でなければできない仕事なのか」 ということです。
仮にその40時間を月5万円で外へ出せるのであれば、 1時間あたり1,250円です。
そこで生まれた40時間を使って、 社長が新しい顧客を一社獲得する。
あるいは、新商品をつくる。
社員との面談をする。
会社の仕組みを一つ改善する。
そう考えると、 5万円は単なる「経費」ではなくなります。
社長の時間を買い戻すためのお金 になるのです。
では、何から手放せばいいのでしょうか。
私は、いきなり大きな仕事を 外注する必要はないと思っています。
むしろ最初は、 小さな仕事からでいい。
- 毎月同じように発生する仕事
- 手順を説明すれば他の人でもできる仕事
- 判断をほとんど必要としない仕事
- 調べることに時間を取られている仕事
- データを転記している仕事
- メールや文章の下書き
- 資料のたたき台づくり
- スケジュール調整
- 請求・経費などの事務作業
こうした仕事を、 いきなり全部手放す必要はありません。
まず一つだけでいいのです。
今は「人を雇う」以外にも、 選択肢があります。
以前であれば、 仕事を手放す方法は 「社員を雇う」「アルバイトを雇う」 「外注する」くらいでした。
今は違います。
AIがあります。
月数千円のSaaSがあります。
オンラインアシスタントがあります。
クラウドソーシングがあります。
業務そのものを代行するサービスもあります。
しかも、 無料から始められるものも少なくありません。
だから、 最初から月10万円、20万円を 使う必要はありません。
仕事を減らすときは、 この順番で考えます。
まず「効率化」する前に、 その仕事自体をやめられないか考えます。
人に頼む前に、 低コストで自動化できないかを考えます。
できるのであれば、 外注やスタッフへの移管を検討します。
経営判断、重要顧客との関係、 未来の事業づくりなど、 社長にしかできない仕事へ時間を戻します。
「余力」ができてから手放すのではありません。
私自身は、 売上がBEPを超えて、 毎月20万円、30万円と余力が生まれるようになってから、 少しずつ仕事を外へ出せるようになりました。
ただ、今振り返ると、 もっと早くできたこともあったと思います。
全部を外注する必要はありません。
数千円で使えるサービスもあります。
AIなら、 ほとんどお金をかけずに 減らせる仕事もあります。
そして仕事が一つ減れば、 そこに小さな余白が生まれます。
その余白を、 次の売上をつくることに使う。
そこで利益が生まれたら、 もう一つ仕事を手放す。
時間の余力をつくる。
利益の余力をつくる。
その余力を、未来に使う。
これが、 ヨリョクで考えていきたいことです。
あなたが今週、 一つだけ手放すなら何ですか?
ヨリョクでは今後、AI、SaaS、外注サービスなど、 「実際に何を使えば仕事を減らせるのか」を 具体的に紹介していきます。
